Nyandy War
Statement
どこかで置き去りにしてきた「本当のわたし」——
その面影をたどるように、私は静かにAIと共に抽象画を描いています。
言葉になる前の感情、記憶の奥に沈んだ輪郭のない風景。
無意識の底にやわらかく残っている“最初のまなざし”を、
色と光と余白で描きとめたいと思っています。
作品は、いわば「自分で自分を迎えにいく」旅路の記録。
傷ついた記憶さえ、時間とともにあたたかなぬくもりへと変わり、
見えないやさしさとなって今を支えていることに、
私は何度も癒されてきました。
この絵を通して、
かつての“あなた自身”と再会するような静かな瞬間が、
ひとときでも訪れたなら、それ以上の喜びはありません。
Nyandy War
作品解説
まなざしの、いちばん最初

この作品は、
“わたし”が世界へ出る直前、(生まれる前)
脳に最初に焼き付いた
かすかな光と温度の記憶を描いています。
外の世界はまだ遠く、けれどそこに向かうと知っていた。
「わたしであること」が始まる前、
ただ静かに、世界を見つめていた――
そんな最初のまなざしを思い出すための絵です。
Original Image Sound
鑑賞と共にお聴きください。
Nyandy War
作品解説

触れたら、風になる
忘れたくないのに、言葉にならない。
近づくほどに輪郭を失う、
大切な記憶の一片。
思い出そうとするとどんどん遠くへ行ってしまう。
あの感覚のあの瞬間の脳のスクリーンショット。
Original Image Sound
鑑賞と共にお聴きください。
Nyandy War
作品解説
まばたきの間に 忘れたこと

そっと 音になる前のぬくもり
静けさが 胸いっぱいにひろがっていく
まだ名前も かたちもない
ただ、生まれかけの鼓動だけ
わたしが“わたし”になる もっと前に
液体の光と ほどける影をくぐって
外にあった鼓動が わたしのものとなり
沈黙のたびに 記憶が芽吹いていく
午前三時の夢のなかで
まばたきの間に 忘れたことを
記憶の岸辺で 抱きしめていた
わたしは 言葉になる前の息
世界が始まるより前の
やわらかな間(ま)
星が見えはじめる
ほんのすこし前の空気の揺れ
これは 静かに還っていく旅
やさしさのなかに ほどけていくとき
Original Image Sound
鑑賞と共にお聴きください。
Nyandy War
作品解説
崩れてしまわないように、そっと

過去の悲しみや切ない記憶、
時にはトラウマと呼べるような感情を、
長い時間をかけて掘り下げ、
かたちにしようと向き合ってきました。
それらを「作品タイトル」として定着させたとき、
私はようやく気づきました――
それらは私の中で、ただの痛みではなく、
大切に、大切に保管してきた記憶だったのだと。
苦しみだと思っていたものは、
いつしか私のアイデンティティの一部となり、
その繊細な感覚に、
私はどこかで惹かれていたのだと思います。
悲しみの奥から、じんわりとにじみ出る優しさ。
痛みを抱えながらも、
それを包み込むように湧いてくる温もり。
それは、傷を消すのではなく、
受け容れることで育まれたもの。
この作品には、
そうした感情が静かに昇華していく時間や、
癒しとともに育った包容力、
そして、思考の旅路で選び取ってきた
小さな洞察たちへの敬意を込めています。
Original Image Sound
鑑賞と共にお聴きください。
Nyandy War
作品解説
悲しみの記憶が、
光へとほどけていく

この作品は、
私たちの中に長く残り続ける“悲しみの記憶”が、
否定や忘却によってではなく、
そのまま受け入れて、静かに見つめることで
やがて**「光」へと変容していく**プロセス
を描いています。
色のレイヤーや
にじみの中にある“ほどける”感覚は、
言葉にできなかった情動が、少しずつ溶け、
内側から癒されていくイメージと重なります。
この絵の前に立つとき、
それぞれの「見えない痛み」が光に触れる
小さなきっかけとなることを願って。
Original Image Sound
鑑賞と共にお聴きください。
